黒い宝石 参考文献

「日本の古代遺跡40 北海道T」保育社
「旧石器の知識」 芹沢長介:著 東京美術
「旧石器時代の考古学」 学生社
「火山灰アトラスー日本列島とその周辺」 著:町田洋・新井房夫 東京大学出版会
「火山灰は語る」 町田洋:著 蒼樹書房 刊
「死体は語る」 上野正彦 著 時事通信社 刊
「日本原人九十九の謎」 松崎寿和 著 kk産報 刊
「島根の自然」 島根県高等学校理科教育協議会 刊
輿水達治・野村崇(1990) 「サハリンの遺跡出土黒曜石のルーツ」 考古学ジャーナル
輿水達治 戸村健児・河西学(1994) 「本州中部の褐色黒曜石の原産地」
松井整司・福岡孝(2000)「三瓶小豆原埋没林について」 島根県地学会会誌 第15号
福岡孝・輿水達治(1990)「黒曜石のアニーリング特性」 北海道考古学 第26号
福岡孝・松井整司(1997)
「三瓶山南西麓の“切割の露頭 ”について」島根県地学会会誌 第12号
輿水達治・福岡孝(1991) 「黒曜石の表面光沢損失に関する熱の影響」
考古学と自然科学 第24号ー日本文化財科学会誌 藁科哲男・東村武信(1958) 「西日本地域の黒曜石研究」
http://wwwnrips.go.jp/gaiyou.html 科学警察研究所ホームページ
http://www.busitu.numazu-ct.ac.jp/mochizuki/japanese/q&a.htm
http://www.busitu.numazu-ct.ac.jp/mochizuki/methodot.htm
http://www.green21.com/kanko/simane/nita.htm
http://www.ohotuku26.or.jp/organization/airataki/jimana/jiman6.html
http://www.pj23.gr.jp/taisha-t/houdou-text.html
http://www.homepage1.nifty.com/Nanairo-7756/kojiki-yougoshu.htm
http://www2.pref.shimane.jp/kodai/annai.html
http://www.town.kibi.wakayama.jp/sangyo/cho_stone.htm
http://www.sun1.pref.toyama .jp/section/3007/mb/mb/002-4.htm
http://www.town.kibi.wakayama.jp/sangyo/cho_stone.htm
http://www3.ocn.ne.jp./~tom69/dai3.html
http://w…frint1.htm



エピローグ

向居一正と三峯利香子の逮捕容疑は、当然のごとく殺人容疑ではなく、竹見と内田をそそのかして椎名瑠美を犯させた、“恐喝及び婦女暴行の共同正犯”としてだけであった。
意図的に竹見と内田を利用し、結果的に二人を瑠美に殺害させた事は誰の目から見ても明らかではあったが、直接手を下してはいないのだ。
「なあ、並木。やり切れないよ! この件で向居は離婚させられたし、社会的な制裁も受けるだろうが、殺されることはない。直にしゃばにも出てこれる! 利香子にしてもそうだ!」
「それに引き替え、椎名瑠美はすべてをなくした…」
並木はそう呟き、妻・志帆の言葉を思った。
志帆は、こう言っていた。
「人と人の巡り会いほど素晴らしいものはないのに…。どうして人を陥れてまで、自分の事だけを考えなければならないの…?」と。
「刑事の俺がこんな事をいっちゃまずいが、出来ることなら瑠美に思いを遂げさせてやりたかったよ」、木暮はぽつりとそう言った。
並木は、わずかに頷き、聞かぬ振りをして訊いた。
「結局、玲奈は美土里と間違えられて殺されたんだったね?」
「そうだ。竹見は、美土里が買い物に出た後にマンションの部屋に侵入したんだが、いたのは玲奈だった。玲奈は当然抵抗する。だから殺害したようだ。それは内田の口から寝物語で瑠美が聞いている」
「美土里の行方は、まだわからないのか?」
「インターポールを通して探しているが、まだだ。彼女が見つからないと、なぜ危険を犯してまで玲奈に成りすましたのかが分からないからな」
「僕の…あくまでも僕の想像の域でしかないんだがね…」
「なんだ?」
「美土里も、向居・竹見そして内田と関係があった。そして金も取られているね。椎名瑠美の場合とは若干違うが、本当の姉を殺されてもいる。あの日記を取りに戻った事からみて、瑠美と同じように向居・竹見・内田の三人に復讐を考えたんじゃないだろうか」
「うむ…ありそうだな」
「しかし、瑠美が向居を殺せなかったように、美土里も向居を殺せなかった。もちろん竹見と内田はすでに死んでいるが…。竹見や内田と違って、向居は瑠美と美土里にとっては特別な男だったのかも知れないね」
「あんな畜生がか?」、刑事らしからぬ乱暴な言葉だった。
「僕たち男には、分からない事だって多いさ」
「そうかも知れんな…しかし、あの石器が板尾で見つかったことも因縁を感じる。それも遺跡でな」、木暮は瑠美の事を思い、黒曜石の発見現場を思った。
そして、並木に頭を下げた。
「お前さんが北海道まで行ってくれたおかげで、彼女も発見できたし、石器の疑問も解けた。俺たちじゃ、全然分からんもんな」
「おいおい。僕は志帆の田舎・白滝に行ったついでに聞き回っただけだよ。君に礼など言われるとくすぐったいよ」と、並木は何事もなかったように笑った。
並木は、向居満の北海道常呂郡の置戸安住B遺跡の調査に関心を持ったことは当然で、さらに椎名瑠美の出身地がその近くだとの情報を得て、妻・志帆と北海道に飛んだのだった。
そして、置戸安住の遺跡に立ち寄った時、一人の女を偶然に目にした。椎名瑠美であった。
並木は、瑠美に声をかけた。そして、妻・志帆が同じ女として、人生のすべてを失った瑠美に歩み寄ったのだった。
「そうか。ま、俺とお前さんの仲だ。いいとするか。しかし、志帆ちゃんが瑠美に自首を勧めて、瑠美もそれに従ってくれたことが唯一の慰めだよ」
木暮も、やっと本来の木暮らしく大きな声で言った。
並木の笑顔と木暮のこのような表情は、実に一年ぶりであった。

木暮と工藤が東京に戻った一週間後、出勤前の並木の目に、ある小さな記事が止まった。
並木は、その記事に書かれている名前をじっと見ると呟いた。
「運命を変えられた三人の女か…」と。
記事は、アメリカとメキシコ国境で一人の日本人女性が交通事故死した。とのニュースであった。
パスポートから、その名前は、井辻美土里。
そしてインターポールが国際手配していた女性。とだけ書かれていた。